24-TWENTY FOUR-製作陣がおくる従来のスタイルを覆すスパイスリラー「HOMELAND/ホームランド 」

スパイスリラー
執事見習い
執事見習い

シーズン1~3が特におすすめ。従来はアクションシーンがメインだったスパイ物ですが、本作にはほとんどありません。テロリストとの情報戦を戦う、現代情報社会のインテリジェンスと主人公の状況にハラハラ!

アメリカに住むことになった約20年前、気づけば以来ずーっと観続けています。そんな海外ドラマフリークが、海外ドラマは観たことないという方向けにはもちろん、次に何観ようか迷っているという方も参考にできるようにあらすじ以外にも注目のキャスト、製作者、脚本家などにも焦点をあてながら紹介したいと思います。

あなたにもハマりそう?まずはざっくりご紹介まで

配信・視聴:Hulu(月額933円~/2020年7月現在) TSUTAYA DISCAS(月額933円~/2020年7月現在)、U-NEXT(月額1990円~/2020年7月現在)  

期数:第1から8までで完結(完結済み) 

主演:クレア・デインズ(エミー賞3回、ゴールデングローブ賞4回受賞の名女優)

プロデューサー:アレックス・ガンザとハワード・ゴードン(24のタッグが復活)

1シーズンで物語の章が完結していくスタイルで進行します。1話は約1時間。

この作品が好きになりそうな人:

✓スパイものが好き

✓政治やかけひきが好き

✓ヒューマンドラマが好き

✓歴史好き

こういう人はイメージ違っちゃうかも

×派手なガンアクションや爆発が好き(どちらかというと地味に情報をあつめるスパイなのでファイトシーンは特にない。文字通り工作員という感じ)

×戦場の男の戦い!みたいな兵士ものを期待している(あまり戦士はでてこない)

×正統派の正義の味方ものが好き(どちらかというと人の弱さや汚さにフォーカスが当たる)

×汚い言葉は聞きたくない・聞かせたくない(スウェアワードのオンパレードです。その分現場の緊張感や精神的プレッシャーが伝わりますが、、教育上はよくないかな)

×~高校生までが楽しめる作品ではないかも?個人的には大学生くらいからがおすすめかと(倫理観など教育上の問題)

✓が多かった人はとりあえずこれだけ読んで決めてみて!

イスラエルの大ヒットドラマを有名プロデューサーがリメイクした本作。

主人公はCIA職員の女性キャリー・マティソン。彼女は双極性障害を持つことを隠して、アメリカをテロ組織の攻撃から守るために働いています。双極性障害(躁うつ病)は、気分の高揚した「躁」と気分が落ち込んだ「うつ」を繰り返す病気で、局に知られてしまえば仕事を失ってしまう。双極性障害の症状に悩まされ、時に助けられながら、国家の安全のため働くキャリー。派手なアクションはなく、キャリーの身体能力は突出したわけではない。爆弾に詳しいわけでもなく、拳銃や狩猟銃が使える程度で普通の人間レベル。彼女の武器は人を巧みに操ること。目的のためには情報源や同僚・同業者を言いくるめて上手く使い、時に身体を使って取り入り、必要となれば裏切る。大局のために曖昧になる善悪の境界はプライベートにも影響し、大切な人にも嘘をつき、傷つけ、そんな自分にも傷ついて苦しみ、病による暴走にも苛まれるキャリー。イスラム教原理主義との闘い、ロシアの裏工作…利害関係が生みだす対立をリアルなプロットで描かれていて、達成やゴールよりも終わりのない戦いとかけひき、過程の切なさにフォーカスが当たります。戦争や暴力がテーマの作品でスプラッターのような不用意にグロテスクな演出や派手なアクションがないのはそこで勝負する必要がない、脚本に自信があるからでしょうね。一つボタンが掛け違っていさえすれば…ともとれるその紙一重感が非常にリアルなところをついているのではないかと感じさせられ、引き込まれた作品です。

と、いうことで気になった方はまずは予告編をどうぞ

「HOMELAND/ホームランド」予告編
シーズン1の予告編

わたくしは独占配信されている他のコンテンツ目的でHuluを契約していますが、ほかにもTSUTAYA DISCAS,U-NEXTでも視聴可能のようです(2020年7月現在)。

ちなみに制作会社のFOX(系列)による「HOMELANDを100倍楽しむ動画」がとても詳しかったので、こちらもどうぞ。

「HOMELAND/ホームランド」100倍楽しむ方法
FoxTVdramaアカウントによる「HOMELANDを100倍楽しむ動画」
配信は各社サービスが利用可能!ご自身に合う配信元で視聴ができます!

U-NEXT、Hulu、TSUTAYA DISCASともに無料お試し期間を行っていますので、まずはそちらを利用してご覧ください。

無料体験は2週間!

熱が止まらないので、まだ観ようかって踏み切れない方へ、この作品の魅力をさらに掘り下げてキャストや製作陣のことをご紹介させてくださいませ。

作品を彩る魅力的なキャストたち

クレア・デインズ(キャリー・マティソン)

キャリーというキャラクターは、自分の要求を通すために様々な工作をし、その過程で自分以外の誰かに不幸な結果が訪れたとしても「私のせいじゃない」とか真顔で言えちゃいそうなタイプ。口達者で自己中心的、都合の良いように物事をみている様子は、スパイとしては必要な素養かなと思いますが、どう考えてもお友達にはなれないし家族にはいてほしくない。。信頼する同僚には「お前には超えない線はないのか」と罵倒されたり、欲しいもの(大抵は国防)のためにいろんなものを犠牲にすることに罪悪感を感じ苦しんだり、双極性障害のせいでふり幅が大きい感情や精神状態は、演技とはいえキツイものがありそうです。ただ、クレアは結構キツイ性格の女優さんという噂も多々ありますし、元々主人公キャリーの役に双極性障害の設定はなかったのに、クレア・デインズが演じることになって後付けされたという話もあるので、クレアさん自身がちょっとキワドイ人間性なのかな…?ともあれ、薄化粧で臨む体当たりぶりは日本の女優さんにはないスタイルで圧倒されますね。放映後に視聴者から「彼女を休ませてあげて!」と直談判の声が届いたほど、心に訴える演技でした。エミーやゴールデングローブ賞などこの作品で複数回の受賞歴がある彼女の代表作といえる出演でしょう。

マンディ・パティキン(ソール・ベレンソン)

個人的にはこの方の演技がみたくてこのシリーズを視聴し続けています。この俳優さんを知ったのは別の海外ドラマで、異常犯罪とFBI捜査官との戦いを描いた「クリミナル・マインド」でした。その時は捜査官のリーダー格ジェイソン・ギデオンとして出演していたんですが、それが最高によかったんです。降板されてしまったのは本当にショックでした。。本作では主人公キャリーの上司役として、マンディは様々な賞にノミネートしていますが、惜しくも受賞は逃しているようです。とはいえ、演劇の名門ジュリアード音楽院を卒業、ブロードウェイミュージカルでの様々な受賞歴などが華々しいスターです。作中のソールはいつも厳しい表情か疲れた顔ですが、インタビュー記事などで見るマンディは優しい顔をしてるんですよね。今後もいろんな作品で見たい俳優さんです。

この俳優さんが、早々に降板された「クリミナル・マインド」もおすすめのロングランドラマです。

ダミアン・ルイス(ニコラス・ブロディ)

イラクにつかまった戦争捕虜という、本作で非常に重要な役どころを見事に演じています。彼については本作の役柄がはまり役だったと、多方面から評価されています。イギリスの名門の音楽演劇学校を卒業し、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーという劇団に所属しています。本作でエミーやゴールデングローブを獲得したダミアンですが、彼の出番はシリーズ途中で終了してしまいます。その後も私はマンディ観たさに視聴を続けましたが、確かにダミアンがいたころの方が面白かったと感じます。代表作はおそらくHOMELANDでしょうが、他にもスティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクス製作総指揮によるBBC/HBOのテレビドラマシリーズ「バンド・オブ・ブラザーズ」での主役リチャード・ウィンターズとしても知られています。

シーズン2までのネタバレを含みますがこちらの動画紹介も良いです!

「HOMELAND/ホームランド」シーズン1&2報告書|好評レンタル中
FoxTVdramaアカウントによるコンテンツ紹介

有名クリエイターが目を付けた名作ドラマ

クリエイター:ハワード・ゴードン アレックス・ガンザ

プロデューサーのハワード・ゴードンとアレックス・ガンザは、ジャック・バウアーを主人公とし、24時間に起きた事を現実の時間進行とリンクさせる形で作りハラハラとした緊張感を演出した「TWENTY FOUR」の製作陣として有名ですね。他にも「Xファイル」「美女と野獣」でもチームアップしています。これだけの情報で、もう面白そうですよね!

制作会社:FOX21 放送局:SHOWTIME

制作会社はFOX21(現在はFOX Television Studiosと合併してFox 21 Television Studios)。買収されてディズニーの関連会社となっています。人気ドラマとしてはおそらくHOMELANDがこの政策会社の代表作になると思います。SHOWTIMEはHBOなどと同じくアメリカのケーブルテレビ局で、「Lの世界」「デクスター 警察官は殺人鬼」を放送しています。最近私がハマったものでいうと、イギリスのTVシリーズのリメイク版「シェイムレス」もこちらの局でした。「シェイムレス」についてはNetflixにて配信中のようです!無料体験がないのが残念ですが、このために契約しようか悩んでしまう…!(2020年7月現在)

原作「Hatufim/Khatufim(Prisoners of War)」

イスラエルのTVドラマ「Hatufim/Khatufim(英題Prisoners of War・原題はヘブライ語)」はレバノンでの作戦中に戦争捕虜となった3人のイスラエル兵士を主人公とする物語で、捕虜としての17年間の生活ののち、国に戻ることになったところから始まる。拘束ののち、生きているのか死んでいるのかもわからないまま過ぎた17年という年月。ずっと帰りを待ってくれていた家族もいれば、戻ることを待たず乗り越えていった家族など、それぞれに突然戻ってきた家族の一員を迎え入れることになる。捕虜だった頃の拷問などの記憶、トラウマ、普通の生活に戻ろうとするなかでの苦悩。双方の葛藤を描いた作品だそう。HOMELANDの第1シーズンはまさに、イスラム原理主義にとらわれ、その後の生死すらわからなくなっていたアメリカ兵が突然みつかり、帰国することになるところから始まります。「現実として」戻ってくることを想像していなかった家族とのぎこちない共同生活、捕虜としての生活によるトラウマ、奇行…。表向きは国民的ヒーローとして迎え入れられても、当局からは敵勢力に取り込まれている事を疑われ続ける。最終シーズンとなるシーズン8にも「Prisoners of War」というタイトルが与えられ、別のシチュエーションにはなりますが同様の構図が描かれています。シーズン8はHULUのライブ配信で視聴しました(2020年7月現在はHuluでシーズン8は視聴できません)

最後に・・・放送局が公開したクランクアップの模様を動画でご覧ください

Thank You, Homeland | SHOWTIME
放送局SHOWTIMEによる完結にあたっての動画

3分弱、すべて英語になりますが、自動翻訳で(微妙ではありますが)言いたいことはわかる程度の字幕を付けることができます(動画右下の歯車マークにて選択!)。ネタバレはありませんので安心してみてください。シリーズ完結まで8年間、キャリーとして演じたクレア、ダミアン、マンディ、ルパート、モーリー、コスタ…。思い入れが強かったのでしょうか、涙ぐむキャストたち。シーズン1から楽しく視聴させてもらいました!今後も彼らの活躍に期待です!

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